◆障害年金に関して、よくある質問のQ&Aです。 <項目(Q)をクリックしてください>

Q1・障害の認定は、いつ行われるのですか?

Q2・20歳前に初診日がある場合、障害年金は請求できますか?

Q3・障害認定日に障害等級に該当しないと、ずっと受け取ることは出来ませんか?

Q4・障害年金は一度決定すると、ずっと受け取ることができるのですか?

Q5・精神の障害でも障害年金は受け取れますか?また、障害年金を請求するうえで特に留意することはありますか?

Q6・人工透析で請求をしたいです。正社員で収入が多いですが、認定はされますでしょうか?

Q7・働いていると障害年金はもらえなくなるのですか?

Q8・障害年金を請求するうえでの診断書は、何種類ありますか?また、それぞれの診断書はどのような様式ですか?

Q9・最近障害年金の制度を知りましたが、年金は過去にさかのぼってもらえるのでしょうか?

Q10・3級の障害厚生年金を受給中ですが障害の状態が悪化しました。等級変更は可能でしょうか?

Q11・障害年金受給中です。別の病気で障害が残りましたが、前後の障害を併せて受給できますか?

Q12・障害厚生年金3級を受給中です。会社を退職しますが、失業保険と併給できますか? 

Q13・生活保護費を受給中です。障害年金を請求したいですが、両方の受給ができるのでしょうか? 

Q14・61歳で遺族厚生年金を受給中です。障害基礎年金と同時に受け取ることができるのですか? 

Q15・障害年金の請求を検討していますが、未納期間があっても受給できるのでしょうか?

Q16・障害年金の請求では何故、初診日要件が受給要件の1つになっているのですか?

Q17・障害年金を受給したいのですが、障害者手帳を持ってないので受給できないのでしょうか?

Q18・初診日とは? また、初診日の証明が取れないときは、障害年金の請求ができないのでしょうか?

Q19・近医(内科)で診察を受けた後に精神科のある病院で受診しました。この場合の初診日は?

Q20・障害年金の裁定請求の結果、不支給の決定。再度請求することはできないのでしょうか?

Q21・ペースメーカーを装着しました。フルタイムで働いていても障害年金の請求はできますか?

Q22・傷病手当金を受給中です。来月から障害厚生年金の受給が決定しましたが傷病手当金は支給されますか?

Q23・20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限とはなんですか?

Q24・労災保険から給付を受ける時は、障害基礎年金・障害厚生年金と併給されますか?

Q25・障害年金の更新に必要な「障害状態確認届」(診断書)は、いつ頃届いて、いつまでに提出するのですか

Q26・障害年金生活者支援給付金とはどのような給付金ですか?

Q27・障害基礎年金(1級・2級)の受給権者になると国民年金保険料が免除になるのですか?

Q28・障害年金においての「社会的治癒」による初診日とはなんですか?

Q29・障害基礎年金と障害厚生年金の違いはなんですか?

Q30・年金事務所で年金の納付記録を照会しました。いろいろな記号の表示がありますがどういう意味ですか

Q31・障害年金を受給するには、どのような要件があるのですか

Q32・障害年金を請求するには、どのような書類が必要ですか

Q33・障害年金の請求はいつできるのですか?。また「診断書」は、どの時点の診断書が必要なんですか?

Q34・障害年金の受給者はどのくらいおられるのでしょうか?また傷病別の割合は

Q35・障害年金を受給できるようになりましたが、所得税はかからないのでしょうか

Q36・国民年金の被保険者です。2つの障害があり、どちらも3級程度ですが年金受給できないのでしょうか

Q37・障害年金の請求中(裁定請求書の提出後)に本人が亡くなった場合は、年金受給ができるのですか

Q38・障害年金を受給している親族が亡くなりました。未支給の年金はどうなるのですか

Q39・障害年金の支給が決定したらどういう書類が届くのですか

Q40・障害年金の支給日はいつですか

Q41・どの程度の障害状態なら障害年金を受けられるのですか

Q42・障害基礎年金の2級を受給中です。国民年金は法定免除となっていますので、追納する必要はないですか

Q43・障害年金の額は、同じ等級のままなら、毎年同じ金額なのですか

Q44・障害年金を受給すると、会社に知られるのでしょうか?

Q45・障害厚生年金2級を受給中です。近日中に結婚しますが、配偶者の加給年金額は加算されるのでしょうか?

Q46・障害基礎年金2級の受給者です。子供が生まれたら年金額は加算されるのでしょうか?


 

Q1・

障害の認定は、いつ行われるのですか?

A・

障害の原因となった病気・ケガの初診日から1年6ヶ月経過した日、またはその間に治った場合には、治った日(症状が固定し治療の効果がこれ以上期待できないときも含む)障害認定日になります。認定日以降に、障害年金の請求ができます
次のような傷病の場合には、1年6ヶ月前でも認定されます。
① 外傷により手足を切断または離断した場合 <切断または離断した日
② 心臓のペースメーカー・ICD・人工弁を装着した場合 <装着した日
人工透析<人工透析を開始してから3ヶ月を経過したとき
④ 人工肛門造設・尿路変更術をした場合は<造設、変更術後6ヶ月を経過した日
⑤ 遷延性植物状態の場合<植物状態に至った日から起算して3ヶ月経過以降の日
⑥ 喉頭全摘出の場合<全摘出した日
⑦ 気管切開下での人工呼吸器を使用した場合<使用開始から6ヶ月経過した日
⑧ 人工関節・人工骨頭をそう入置換した場合<そう入置換した日
⑨ 脳血管機能障害<初診日より6ヶ月経過した日以後に、それ以上の機能回復が望めないとき

 

Q2・

20歳前に初診日がある場合、障害年金は請求できますか?

A・

20歳に達する前に初診日がある病気やケガで障害になった場合で、初診日から1年6ヶ月経過した日に20歳未満であれば、20歳に達した日が障害認定日となり、認定日以降3ヶ月以内の診断書を取得して「障害年金」の請求ができることとなります。20歳前障害の場合には、保険料納付要件は問われません。また、障害認定日が20歳に達した日後であれば(初診日から1年6ヶ月経過した日が、20歳を超えていた場合のこと)、その障害認定日以降3ヶ月以内の診断書を取得して「障害年金」の請求が出来ます。つまり、初診日が20歳前にあるかたについては、初診日から1年6ヶ月経過日、もしくは20歳に達した日の、どちらか遅い日が障害認定日となります。障害認定日より1年以上過ぎてから請求する場合は、障害認定日以降3ヶ月以内の診断書と併せて、請求手続以前3ヶ月以内の診断書も必要になります(計2通必要です)。なお、初診日において20歳未満でも厚生年金加入中の場合(会社で働いていた等)は、「厚生年金加入期間中の初診日がある場合」と同様に扱われますので、20歳未満でも障害等級が3級以上に該当していれば、障害年金の支給対象になります。厚生年金加入中でない場合は、障害基礎年金での請求しかできませんので、等級が1級または2級に該当しなければ、支給対象になりません。

 

Q3・

障害認定日に障害等級に該当しないと、ずっと受け取ることは出来ませんか?

A・

障害認定日に障害等級に該当しない場合であっても、その後病気やケガの症状が重くなった場合には、障害年金を請求することができます。請求手続以前3ヶ月以内の診断書が必要です。これを「事後重症」請求といいます。ただし、65歳を過ぎると請求出来ません。

 

Q4・

障害年金は一度決定すると、ずっと受け取ることができるのですか?

A・

障害年金はいったん支給が決定しても、「永久認定」以外の、障害の程度を確認する必要がある受給者は、定期的(障害のケースにより1年~5年)に、日本年金機構から 診断書「障害状態確認届」の提出を求められます。この診断書を提出することで、更新の手続を行ないます。障害年金裁定請求の時と異なり、請求書・申立書・その他の書類は必要ありません。診断書「障害状態確認届」のみで障害程度の判断がされますので、障害の状態を正しく医師に伝えることが重要になります。更新のつど障害の程度を審査し、症状が重くなっていると判断されれば上の等級に、軽くなったと判断されれば下の等級に変更または不支給になることもあります。支給停止(不支給)により障害年金が支給されなくなったとしても、それは支給が停止された状態であり、障害年金を受給する権利がなくなったわけではありません。再び該当する障害状態となり、手続をすれば年金が支給されます。障害の程度が軽くなり、障害年金を受給できる等級に該当しない状態のまま、65歳に達したときに受給権は消滅します。ただし、65歳に達したときに、障害年金を受給できる等級に該当しない状態になってから3年が経過していない場合は、不支給になってから3年が経過したときに失権することになります(例えば、64歳6ヶ月で支給停止になった場合、67歳6ヶ月になった時点で失権する)。なので、年金が支給停止になった場合でも、「年金証書」は大切に保管しておいて下さい。症状が固定し次回の提出の必要がない認定を、「永久認定」といいます。(例えば、上肢・下肢の欠損障害<切断>等により支給が決定された場合は、回復することはないので永久認定)

 

Q5・

精神の障害でも障害年金は受け取れますか?また、障害年金を請求するうえで特に留意することはありますか?

A・

精神の障害でも症状により障害年金を受け取ることができます。

うつ病・躁うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害・てんかん・気分(感情)障害・反復性うつ性障害などは受け取ることができます。 原則として、人格障害、および神経症といわれるパニック障害・PTSD(心的外傷後ストレス障害)パーソナリティ障害、恐怖症・不安神経症・不安障害・ヒステリー・強迫性障害などは障害年金の支給対象になりませんが、精神病の病態を示している場合には、統合失調症または気分(感情)障害に準じて取り扱うとされています。精神の障害では、日本年金機構が「診断書」において障害等級を判定するうえで、医師が作成する「障害の状態」についての記載内容とともに、「等級判定ガイドライン」による評価が重要な目安となります。このガイドラインは、「日常生活能力の程度」(5段階評価)と、「日常生活能力の判定」(7項目のそれぞれで4段階評価)の2つの要素で構成されます。そして、この2つの要素を点数化して表にあてはめて、1級・2級・3級・非該当の等級目安となります。「日常生活能力の判定」は、本人が単身で生活するとしたら可能かどうかで医師が判断します。7項目とは、①適切な食事②身辺の清潔保持③金銭管理と買い物④通院と服薬⑤他人との意思伝達及び対人関係⑥身辺の安全保持⑦社会性についてです。一人で出来る1点から出来ない4点までの点数評価です。日常生活能力の程度」(5段階評価)との組み合わせで、等級の目安となります(点数が高いほど等級は上がります)。※精神の障害での裁定請求は、特有の難しさがあります。それは、他の傷病と異なり、数値などの客観的基準が無く、診断書が医師の主観に左右されるからです。なので、正確な評価を医師にしていただくには診察時において本人が、日常生活を送るうえで、どのような症状で困っているか、また日常生活にどのような支障が生じているか(7項目を参考に)を、医師に正しく伝えておくことが大変重要となります。参考:精神の障害用診断書<クリックすると、日本年金機構のHPの診断書が表示されます>

 

Q6・

人工透析で請求をしたいのですが、正社員で働いていて収入が多いです。障害年金の認定はされますでしょうか?

A・

人工透析の場合は、就労の有無や収入の多い少ないや労働能力は関係せずに、障害等級は2級以上に該当します。

 

Q7・

働いていると障害年金はもらえなくなるのですか?

A・

障害基礎年金・障害厚生年金には、原則的に所得制限はありませんので、働いていても障害年金を受け取ることができます。ただし、20歳前の障害の場合には、本人が保険料を掛ける義務がなかったため、所得制限が設けられています。労災保険との併給の場合は、労災保険給付のほうに減額調整がかかります。

 

Q8・

障害年金を請求するうえでの診断書は、何種類ありますか?また、それぞれの診断書はどのような様式ですか?

A・

8種類あります。

の障害用<診断書の様式クリック>耳、鼻、口の障害用<診断書の様式クリック>肢体の障害用<診断書の様式クリック>精神の障害用<診断書の様式クリック>呼吸器疾患の障害用<診断書の様式クリック>循環器疾患の障害用<診断書の様式クリック>腎疾患肝疾患糖尿病の障害用<診断書の様式クリック>血液、造血器、その他(がん疾患を含みます)の障害用<診断書の様式クリック>です。

※障害の状態により複数の診断書が必要な場合もあります。

 

Q9・

最近障害年金の制度を知りましたが、年金は過去にさかのぼってもらえるのでしょうか?

A・

障害年金の存在を知らなかった為に、請求しなかったという方はたくさんおられます。遡及する要件に該当すれば、障害年金を過去にさかのぼって請求し、受給することができます。ただし、さかのぼれるのは5年間までです。この「遡及」をするためには、初診日の1年6ヶ月後から1年9ヶ月後までの間に障害の程度が、障害認定基準に達していたと認められることが必要であり、そのことを証明する診断書を提出する必要があります。

 

Q10・

現在、3級の障害厚生年金を受給しているのですが、障害の状態が悪化しました。1級または2級に障害年金を変更できるのでしょうか?

A・

65歳になるまでに障害の状態が悪くなったときは、年金額改定の請求ができます。年金額の改定は、本人の請求によるほか、日本年金機構へ定期的に提出する診断書によりおこなわれます。

 

Q11・

2級の障害基礎年金と障害厚生年金を受け取っているのですが、別の病気で障害が残りました。前後の障害を併せて障害年金を受け取ることができますか? 

A・

1級・2級の障害年金を受け取っている方が、さらに別の病気やケガで1級・2級の障害年金を受け取ることができるようになったときは、前後の障害を併せて認定し、1つの障害基礎年金・障害厚生年金が受け取れます。また、後の障害が3級以下に該当した場合で、65歳になるまでに2つの障害を併せて障害の状態が重くなったときには、年金額を改定する請求ができます。尚、過去に一度でも障害等級2級以上に該当したことがある方は、65歳を過ぎても年金額を改定することが出来ます。

 

12・

障害厚生年金3級を受け取っているのですが、現在働いている会社を退職することになりました。失業給付と併給することはできるのでしょうか? 

A・

勤務していた会社を退職し、雇用保険から失業給付(基本手当)を受ける場合、受給中の障害年金が停止されることはありません。「働く意思と能力」があれば、求職活動を行いながら、失業給付(基本手当)と障害年金の両方を受給することができます。ただし、60歳から65歳前に支給される「特別支給の老齢厚生年金」については、完全選択になりますので、どちらか一方の受給となります。

また、障害のために働くことができなくなって退職した場合は、給付要件の「働く意思と能力」のうち、働くための能力がないとみなされ、失業給付(基本手当)を受けることができません。

 

13・

現在、生活保護費を受けています。病気により障害が残り、障害年金の請求を検討していますが、両方受けることができるのでしょうか? 

A・

公的年金(老齢・障害・遺族年金)が受給できるときは、生活保護費から、年金額を差し引いて支給されます。年金額の方が上回っていれば、生活保護費は支給されなくなります。ただし、障害年金の1級・2級が受給できる場合は、生活保護費に障害者加算がつきます。

 

Q14・

現在61歳で遺族厚生年金を受け取っています。2級の障害基礎年金を受け取ることになったのですが、2つの年金を同時に受け取ることができるのですか? また、65歳からは、併せて老齢基礎年金も受け取れるのでしょうか?

A・

65歳になるまでは「遺族厚生年金」「障害基礎年金」どちらか一方の年金を選択することになります。65歳になると「障害基礎年金と遺族厚生年金」または「老齢基礎年金と遺族厚生年金」のどちらかの組み合わせを受け取ることができます。尚、老齢基礎年金と障害基礎年金を併せて受け取ることはできません。

 

Q15・

障害年金の請求を検討していますが、年金の未納期間があります。未納期間があっても受給できるのでしょうか?

A・

障害年金を受給するには保険料の納付要件があります。未納期間があっても、初診日の前日において、その初診日のある月の、前々月までの期間の3分の2以上が保険料を納めた期間、または保険料を免除されていた期間であれば納付要件をクリアできます。または、令和8年までの特例として、初診日において65歳未満であり、初診日のある月の、前々月までの1年間に保険料の未納がない場合も納付要件をクリアできます。※保険料の納付が経済的に困難な場合は、手続をすることによって(所得要件等あります)、国民年金保険料が免除される制度があります。全額免除制度・若年者納付猶予制度・学生納付特例制度により申請をした期間は、障害年金の保険料納付要件期間に算入されますので未納期間にはなりません。

 

Q16・

障害年金の請求では何故、初診日要件が受給要件の1つになっているのですか?

A・

障害年金を受給するには、初診日より前に一定以上の保険料を納めていることが前提になっているからです。また、初診日に加入していた年金制度が、国民年金か厚生年金かによって支給額が異なります。初診日が国民年金の場合は、障害の状態が初診日において、1級または2級に該当していなければ障害年金(障害基礎年金)は支給されません。初診日が厚生年金の場合には、1級・2級に該当しなくても3級に該当していれば、障害年金が支給されます。初診日に厚生年金に加入していて、障害等級1級・2級に該当した場合には、障害基礎年金に加えて、1級・2級の厚生年金部分の金額が併せて支給されます。

 

Q17・

障害年金を受給したいのですが、障害者手帳を持ってないので受給できないのでしょうか?

A・

障害年金を受給するには、基本的に「障害者手帳」の有無は関係ありません。

1長期(1年6ヶ月)の病気やケガによる障害があり、仕事日常生活に支障が出ていて周りのフォローを要し、原則65歳未満あり、受給要件①初診日要件 ②障害認定日要保険料納付要件をクリアしていれば、受給の可能性があります。「障害者手帳」の制度には、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の三つの種類があります。このうち、「身体障害者手帳」の等級区分は、7等級ありますが、「障害年金」の等級区分は3等級です。「療育手帳」は、主に知的障害者を対象に各都道府県が独自に交付する手帳制度ですが、これも「障害年金」の等級とはリンクしません。精神障害者保健福祉手帳」については、この手帳の認定基準は「障害年金」の認定基準に、ほぼ準拠しています障害者手帳制度は「福祉制度」であり、「身体障害者福祉法」により定められており、都道府県知事等の自治体が手帳を発行します。「障害年金」は「保険制度」であって、本質的に異なります。なお、「重度心身障害者医療費補助制度(福祉医療)」を利用することにより、1~3級(自治体によって変わります)の「身体障害者手帳」を持っておられる方が、この制度を利用すると、病気の治療について医療費が無料、または低額になります。(ただし、所得要件があります)

1病気やケガにより、1年6ヶ月を経過しなくても認められるケースがあります

 

Q18・

初診日とは?また、初診日の証明が取れないときは、障害年金の請求ができないのでしょうか?

A・

初診日は、障害の原因となった病気やケガで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。同一の病気やケガで複数の転医があった場合は、一番初めに診療を受けた日が初診日です。初診日について医師の証明が取れない場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を「受診状況等証明書」に代えて提出します。ただし、初診日を裏付けする資料を添付する必要があり、添付資料により整合性が確認できた場合に限り、申し立てた日を初診日と認めることが出来る」とされています。

 

Q19・

メンタルの調子が悪くなり、かかりつけの近医(内科)で診察を受け、後に精神科のある病院を紹介されて、受診しました。この場合の初診日は、初めて精神科で受診した日になるのでしょうか?

A・

この場合は、精神的に調子が悪いと感じて、初めて医療機関を受診した日(近医の内科受診日)が、障害年金請求に関しての初診日となります。傷病が治癒した後に、再度発症(社会的治癒)している場合は、再発後に、最初に医師の診療を受けた日が初診日となります。 

 

Q20・

障害年金の裁定請求の結果、不支給の決定がされました。再度請求することはできないのでしょうか?

A・

障害年金を請求した結果、不支給とされたり、思っていたよりも軽い等級に判断され不服がある場合には、審査請求をすることができます。また、審査請求の結果にも不服がある場合には、再審査請求をすることができます。審査請求と再審査請求を「不服申し立て」といい、審査請求は各厚生局の社会保険審査官(全国では103人の審査官が在籍)に、再審査請求は社会保険審査会に対して行います。(審査会は東京都に在所し、委員長と委員5人の計6人で構成される組織です。裁判官、医師、社会保険労務士等から2人づつ任命されています。案件ごとの審査は、委員の内の3人を一組としたメンバーで構成される合議制で行われます。3人中、1人が審査長、2人が審査員となります)審査請求は、裁定請求の決定が届いた日の翌日から起算して3ヶ月以内、再審査請求は、審査請求の決定が届いた日の翌日から起算して2ヶ月以内に行う必要があります。

 

Q21・

ペースメーカーを装着しました。フルタイムで働いていても障害年金の請求はできますか?

A・

ペースメーカー・人工弁・ICDを装着した場合は、どれだけ働けても3級の認定はされます。さらに、症状が重い場合は、2級以上に認定されることもあります。なお、障害の認定日は装着した日(初診日から起算して1年6ヶ月を超える場合を除く)となります。

 

Q22・

傷病手当金を受給中です。来月から障害厚生年金の受給が決定しましたが、傷病手当金は支給されるのですか?

A・

傷病手当金の日額のほうが障害厚生年金の日額よりも多いときは差額分が傷病手当金として支給されます。傷病手当金の日額のほうが少ないときは、傷病手当金は支給されず障害厚生年金だけが支給されます。同一傷病で障害基礎年金も受給できるときは、障害厚生年金との合算額で日額を算出します。尚、傷病手当金を請求した傷病と、障害厚生年金を請求した傷病が異なる場合には、調整されずに併給されます

 

Q23・

20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限とはなんですか?

A・ 

20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないことから所得制限が設けられています。1人世帯(扶養親族なし)の場合は、所得額が360万4千円を超える場合に年金額の2分の1が支給停止となり、4621千円を超える場合に全額支給停止となります。2人世帯(扶養親族1人)の場合は、所得額が3984干円を超える場合には年金額の2分の1相当額が支給停止、5001干円を超える場合には全額支給停止となります。なお、世帯人数が増加した場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。※対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算となります。ここでいう所得額とは、総収入金額(事業収入・不動産収入・給与収入等)から、それぞれの必要経費を引いた総所得金額(給与所得者であれば給与所得控除後の金額)から、所得控除《社会保険料控除・医療費控除・配偶者(特別)控除・本人以外の障害者控除・寡婦、寡夫控除・勤労学生控除・小規模企業共済掛金控除・雑損控除・基礎控除(地方税と同額の33万円)》を差し引いた金額のことをいいます。所得制限の対象となるかどうかは、前年1月から12月までの所得により判断され、制限される場合は、当年の8月分の障害基礎年金以降が対象となります。※受給者本人の「障害基礎年金」の額は、非課税所得のため所得制限の計算の対象とはなりません(制限がかかる所得の額に含みません)。なお、「20歳前傷病による支給事由」以外の障害年金では、本人や配偶者、世帯員に所得がいくらあっても障害年金が支給停止されたり、減額されることはありません

 

Q24・

労災保険から給付を受けるときは、障害基礎年金・障害厚生年金と併給されますか?

A・

同一支給事由で労災保険(労働者災害補償保険)の障害補償年金、または傷病補償年金を受給できるようになった場合、障害基礎年金・障害厚生年金は全額支給され、労災保険からの給付に支給停止額が発生し調整されます。なお、特別給与(ボーナス)を基礎として支給される特別支給金については調整されず減額はありません

 

Q25・

障害年金の更新に必要な「障害状態確認届」(診断書)は、いつ頃届いて、いつまでに提出するのですか?

A・

障害年金の更新手続に必要な「障害状態確認届(診断書)」は、法改正により、令和元年8月以降誕生月の3ヶ月前の月末に、日本年金機構から届くようになりました。これにより、「障害状態確認届(診断書)」の作成期間が、以前の1ヶ月以内から3ヶ月以内へと変更になりました。「障害状態確認届(診断書)」が届いた後に、医師に診断書を作成してもらい、誕生月の末日までに提出します。同様に、20歳前の傷病により障害年金を受けている方に関しても、「障害状態確認届(診断書)」の提出時期が変更になりました。変更前は毎年7月末までの提出となっていましたが、誕生月の末日までの提出となりました。作成期間も、以前の1ヶ月以内から3ヶ月以内へと変更になりました。また、20歳前の傷病により障害年金を受けている方は提出が必要であった、「所得状況届(ハガキ)」については、原則として提出する必要がなくなりました。

 

Q26・

障害年金生活者支援給付金とはどのような給付金ですか?

A・

障害年金生活者支援給付金は、障害年金に上乗せして支給されます。支給要件としては、障害基礎年金(1級または2級)を受けていること、及び、前年の所得額が「4,621,000円+扶養親族の数×38万円※1」以下であることが必要です。※1(同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は、63万円となります。)給付額は、障害等級1級=6,250円(月額)、障害等級2級=5,000円(月額)です。給付金を受け取るには、請求書に氏名等を記入して年金事務所に提出することが必要です。審査結果の通知が日本年金機構から到着し、その後、支払月の上旬に日本年金機構から払込通知書が到着します。給付金は、年金の受取口座へ、年金とは別途に2ヶ月分が支払われます。

 

Q27・

障害基礎年金(1級・2級)の受給権者になると国民年金保険料が免除になるのですか?

A・

障害基礎年金の受給権者は、法定免除に該当するので保険料は免除になります。そして、障害状態の1級・2級が継続している限り、一生支給されます。しかし、障害状態が軽減し1級・2級に該当しなくなれば障害基礎年金は支給されなくなります。また、65歳以降に支給される老齢基礎年金には、保険料の納付を免除されていた期間(障害基礎年金が支給されていた期間)は、通常の年金額の半分しか反映されません<保険料の半分は国庫負担で拠出されているため、国庫負担分だけは受給できます>。したがって、障害基礎年金が支給されなくなって、将来老齢基礎年金を受給するときの年金額は低額となります。こうした理由で、今後のご自分の障害等級の軽減を考慮して、障害基礎年金(1級・2級)の受給権者でも保険料納付を選択する人もおられます。(例えば、上肢・下肢の欠損障害等により1級・2級の支給を受けている方は、更新の必要がない「永久認定」であり、等級の軽減はないので保険料納付を選択する必要はありません)。生涯、障害基礎年金を受給できるかたは、老齢基礎年金との併給ができません。したがって、国民年金保険料を納付していても掛け捨てとなりますので、保険料の免除を選択しておいたほうが良かったということになります。保険料免除を選択するか、納付を選択するかは、ご自身の今後の障害の状態等を考慮し、検討されたらと思います。

 

Q28

障害年金における「社会的治癒」による初診日とはなんですか?

A・

傷病が再発し、医学的には前の傷病と同一の傷病であっても、前の傷病についての療養の必要が無く、日常生活や就労が可能な状態となり、こうした状態が相当期間(傷病により異なりますが一般的には約5年程度)継続している場合は、社会的治癒と認定されることがあります。この場合、前の傷病と後の傷病が別のものとして扱われます。例えば、最初の初診日が国民年金の加入期間中であって、その後、厚生年金に長く加入し、日常生活や就労が可能な状態が続いていたなかで、再発したケースにおいては、最初の受診を初診日としてしまうと、障害基礎年金での請求しかできないので、障害厚生年金の請求はできないことになります。3級に該当していた場合には、障害基礎年金は1級・2級しかないので、受給することができなくなります。なので、こうしたケースでは、社会的治癒による障害厚生年金としての請求も検討することになります

 

Q29

障害基礎年金と障害厚生年金の違いはなんですか?

A・

障害基礎年金は、障害等級2級以上であるかたに支給される障害年金です(等級は、1級・2級のみで3級はありません)。障害厚生年金は、初診日において厚生年金保険(会社員等)の被保険者である場合に支給される障害年金です(等級は、1級・2級・3級があります。3級よりも障害の程度が軽くても一定の要件を満たせば、障害手当金の制度もあります)。障害厚生年金で2級以上に該当すれば、支給事由を同じくする障害基礎年金と障害厚生年金が併給されます。および、障害厚生年金では、2級以上の受給者に65歳未満の配偶者がいる場合に、配偶者加給年金額が加算されます(一定の要件があります)。受給権を取得した日の翌日以後に、婚姻により配偶者を有するに至った場合には、有するに至った日の属する月の翌月から額改定されます。障害基礎年金の受給者に、18歳年度末までの子、または障害等級1級か2級の子がいる場合は、子の加算額があります(一定の要件があります)。受給権を取得した日の翌日以後に、新たに要件を満たす子を有するに至ったときは、有するに至った日の属する月の翌月から支給額が改定されます。配偶者・子の加算に該当したときは、「障害給付加算額・加給年金額加算開始事由該当届」を提出します。

 

 Q30

年金事務所で年金の納付記録を照会しました。いろいろな記号の表示がありますがどういう意味ですか?

A・

被保険者の納付記録を照会した場合、「基礎年金番号情報照会回答票」(基本情報)を入手できますが、この回答票はこれまでの納付状況に関して、それぞれ該当する記号で示されています。以下、主な記号と、その意味についてご説明します。記号の「」=未納期間。「A」=国民年金第1号納付済期間。「B」=国民年金第1号納付済期間+付加保険料納付済期間。「C」=国民年金第1号納付済期間+付加保険料未納期間。「P」=国民年金第1号前納期間。「T」=追納保険料納付期間。「V」=国民年金第1号充当期間。「R」=みなし免除期間(全額免除)。「Y」=法定免除期間(全額免除)。「Z」=申請免除期間(全額免除)。「ア」=半額免除期間にかかる未納期間。「チ」=4分の3免除期間にかかる未納期間。「ヒ」=4分の1免除期間にかかる未納期間。「イ」=半額免除期間にかかる納付済期間。「ツ」=4分の3免除期間にかかる納付済期間。「フ」=4分の1免除期間にかかる納付済期間。「」=学生納付特例期間。「」=若年者納付猶予期間。「」=第3号納付期間(第3号被保険者期間のうち、保険料納付済期間に算入する期間)。「」=第3号未納期間(第3号被保険者期間のうち、保険料納付済期間に算入しない期間)または、時効により保険料の納付ができなくなった期間。「」=厚生年金保険・共済組合に加入していた期間、または国民年金に加入していない期間、あるいは20歳前の期間。「」=第3号期間のうち、手続きが遅れて納付した期間。障害年金の受給要件の1つである、保険料納付要件の記録が、この「照会回答票」により確認できます。

 

Q31

障害年金を受給するには、どのような要件があるのですか?

A・

 次の3つの要件があります。①初診日要件・・国民年金、厚生年金、共済年金へ加入していた期間中に、医師や歯科医師から、その障害の原因となった病気やケガの診察を受けていることが必要です。この診察を初めて受けた日を「初診日」といいます。詳しくは、Q18をご参照ください。②障害認定日要件・・障害年金を受けられるかどうかは、障害認定日に一定の認定基準に該当する障害状態にあるかどうかで判断されます。詳しくは、Q1・Q3をご参照ください。③保険料納付要件・・障害年金を受給するには、保険料の納付要件があります。詳しくは、Q15をご参照ください。当事務所ホームページ内の、「障害年金」トップページの下段にも詳細に記載しています。

 

 

Q32

障害年金を請求するには、どのような書類が必要ですか?

A・

 障害年金を請求するのに必要な書類は、主に4つあります。①受診状況等証明書・・「受診状況等証明書」は、診断書を作成した医療機関で取得する証明書類で、「初診日証明書」とも言われます。②診断書・・「診断書」は、障害の種類によって、8種に分かれています。③病歴・就労状況等申立書(病歴状況等申立書)・・「病歴・就労状況等申立書」は、請求者本人が発病から現在までの、仕事や日常生活において、病気やケガでどれほど苦しんできたか、そして今もどんなに困っているかを記述する書類です。請求者が自ら作成して申し立てる唯一の書類です。④請求書・・「障害年金裁定請求書」は、請求者の氏名や住所、配偶者や子などの情報、その他請求にあたっての基本事項を記入する書類で、診断書等を添付して請求します。4つの必要書類の詳細は、「障害年金請求に必要な書類」<ここをクリック>をご参照ください。

 

Q33

障害年金の請求は、いつできるのですか?。また「診断書」は、どの時点の診断書が必要なんですか?

A・

 障害年金の請求に必要な「診断書」は、請求の種類によって、請求方法と請求時期が異なります。➀障害認定日請求・・障害認定日(認定日の詳細は、Q1をご参照ください)から、1年以内に請求する場合は、障害認定日から3ヶ月以内の診断書(傷病発生日から1年6ヶ月~1年9ヶ月の間に受診したときの診断書)が必要です。②障害認定日の遡及請求・・障害認定日から、1年経過後に請求する場合は、障害認定日から3ヶ月以内の診断書、及び請求日以前3ヶ月以内の診断書(計2通)が必要です。この場合、障害認定日から5年以上を経過していると、時効により5年分しか遡及できません(5年以内分までは遡及して受給できます)。③事後重症請求・・年金請求日以前3ヶ月以内の診断書が必要です。④初めて2級による請求(初めて2級とは、最初の傷病が年金受給の状態に該当せず、後の傷病による障害と併せて初めて2級以上に該当すること)・・最初の傷病(前発障害)について、請求日以前3ヶ月以内の診断書、及び後の傷病(基準障害)についても、請求日以前3ヶ月以内の診断書(計2通)が必要となります。※20歳前障害の場合は、Q2をご参照ください。

 

Q34

障害年金の受給者はどのくらいおられるのでしょうか?また傷病別の割合は?

A・

 障害をお持ちの方の数は、「令和2年度障害者白書(内閣府)」によると、全国に身体障害者436万人知的障害者109万4千人精神障害者419万3千人で合わせて964万7千人位おられます。これを人口千人あたりの人数でみると、身体障害者は34人、知的障害者は9人、精神障害者は33人となります。国民のおよそ7.6%の方が、なんらかの障害をもっておられます。一方で「障害年金」を受給されている方は、「日本年金機構の主要統計」によると、令和元年10月末現在で、厚生年金保険44万6千人国民年金197万8千人で、この内、厚生年金保険との1・2級の重複者を除く国民年金だけの方は162万3千人となります。重複者を除いた合計は、206万9千人です。障害をお持ちの方の、約21~22%しか「障害年金」を受給していません。これは、制度を知らずに請求されない方や、該当するかどうかわからない、手続きが複雑等の理由で、請求していない方が多くおられるのではないかと推測されます。また、受給者のうち、傷病別の割合(障害年金受給者実態調査H26年e-Stat政府統計)を示しますと、精神障害が最も多く31%知的障害23.2%です。脳血管疾患8.1%、中枢神経系の疾患5.9%、耳の疾患・外傷5.1%、視器の疾患・外傷4.8%、腎疾患4.7%、他、循環器系・上肢下肢の外傷・関節脊柱の疾患・糖尿病・がん、その他の傷病となっています。

 

Q35

障害年金を受給できるようになりましたが、所得税はかからないのでしょうか?

A・

 障害年金は所得税法において非課税とされているので、所得税及び住民税はかかりません。同様に遺族年金も非課税です。老齢年金は、雑所得として所得税・住民税の課税対象になります。加えて、所得税を計算するうえで、納税者本人障害者であるときは、障害者控除として27万円が所得金額から差し引かれます。特別障害者であるときは、40万円を所得金額から差し引くことが出来ます。納税者本人でなく、所得税の控除対象配偶者扶養親族であるときも、障害者控除の適用があります。特別障害者とは、特に重度の障害があるかたです。①身体障害者手帳での障害の程度が1級または2級のかた②精神障害者保健福祉手帳の障害等級が1級のかた③重度の知的障害者と判定されたかた④いつも病床にいて、複雑な介護を受けなければならないかたなどです。

 

Q36

国民年金の被保険者です。2つの障害があり、どちらも3級程度ですが年金受給できないのでしょうか?

A・

 国民年金の障害等級に3級はありませんが初めて2級に該当する場合には、障害基礎年金を受給できることがあります。<根拠>障害等級1級または2級に該当しない障害の状態にあった者が、その後に生じた傷病(以下「基準傷病」という)が発生し、その傷病(その後に生じた傷病のこと)の初診日において被保険者等に該当し、基準傷病に係る障害認定日以後、65歳に達する日の前日までの間に、初めて基準傷病による障害(以下「基準障害」という)と他の障害(初めの障害のこと)とを併合して、障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態に該当したときは、その者に基準障害と他の障害(初めの障害のこと)とを併合した障害の程度による障害基礎年金が支給される。(国民年金法30-3・厚生年金保険法47-3の要約)

 

Q37

障害年金の請求中(裁定請求書の提出後)に本人が亡くなった場合は、年金の受給ができるのですか?

A・

 請求して結果がわからない内に本人が亡くなった場合、支給が認められれば遺族に障害年金が支払われます。遡及請求だったのか、事後重症請求だけかによって支払われる年金額も違います。年金の支給開始月は、遡及請求なら障害認定日のある月の翌月まで遡りますが、支払いできる期間には時効があり、最長で5年となっています。事後重症請求の場合は、請求した月の翌月からです。請求した月の翌月以降に亡くなられた場合は、亡くなられた月まで年金が支払われますが、請求した月に亡くなられた場合には、障害年金は支払われません

 

Q38

障害年金を受給している親族が亡くなりました。未支給の年金はどうなるのですか?

A・

 年金は亡くなられた日の属する月の分まで支給されます。まだ受け取っていない年金や、亡くなった日より後に振り込まれた年金の内、亡くなった月分までの年金については、未支給年金として受給していた方と生計を同じくしていた遺族が受け取れます。未支給年金を請求できる遺族は、①配偶者②子③父母④孫⑤祖父母⑥兄弟姉妹⑦三親等以内の親族で、受け取れる順位も同じです。同順位者が複数人いるときは、代表1人が請求します。「生計を同じく」とは、必ずしも同居が条件ではありませんが、実質的な生計維持、生計同一の関係にあることが必要です。

 

Q39

障害年金の支給が決定したらどういう書類が届くのですか?

A・障害年金の支給が決定すると、「年金証書・年金決定通知書」が日本年金機構から郵送されてきます。年金証書が届いた日が、月の前半か後半かにもよりますが、翌月から翌々月に、「初回支払額のお知らせ・年金支払通知書」が届きます。その後、振込の数日前に「年金振込通知書」が届きます。障害認定日請求と事後重症請求時点の障害等級が異なる場合は、「支給額変更通知書」が届きますので、ご確認ください。不支給となった場合は、「不支給決定通知書」が届きます。

 

Q40

障害年金の支給日はいつですか?

A・障害年金は偶数月の15日(土曜日・日曜日・祝日の場合は、その直前の金融機関の営業日)に支給されます。ただし、初回の受取りや、遡って過去分の支給が発生した場合などは、奇数月に支給されることがあります。定期支給月に支給される年金額は、受取り月の前2ヶ月分です。初回分は、翌月に間に合えば翌月の15日に入金され、間に合わなければ翌々月の15日に入金されます。

 

Q41

どの程度の障害状態なら障害年金を受けられるのですか?

A・障害の程度の判断(認定)は、「障害等級表」<こちらをクリック>に加え、「障害認定基準」<クリックすると、日本年金機構のHPへ移行します>によって行われます。「障害認定基準」は、障害の種類ごとに定められています。新たな医学的な知見を踏まえて、必要に応じて基準の見直しもおこなわれています。

 

Q42

障害基礎年金の2級を受給中です。国民年金は法定免除となっていますので、追納する必要はないですか?

A・障害基礎年金(1級又は2級)を受給しておられるかたで、障害の状態確認が「永久認定」となっている方は、生涯にわたって「障害基礎年金」を受給できますので、追納しても額は増えません。また、障害の状態確認が「有期」となっている方は、今後、障害の程度が軽快し、障害基礎年金(1級又は2級)を受給できる状態でなくなった時には、国民年金の追納をすることにより、老齢基礎年金の額が増額となります。<詳細は、日本年金機構のHPへ><こちらをクリック

 

Q43

障害年金の額は、同じ等級のままなら、毎年同じ金額なのですか?

A・障害年金の額は、同じ等級のままでも、物価や賃金などの変動率に応じて毎年度、年金額も変更されます。変更された年金額は、新年度4月分以降、翌年3月分までの年金給付に適用されます。年金給付は、偶数月の15日に、その月の前2月分が振り込まれます(15日が土日・祝日の時は、直前の平日)。したがいまして、新年度(4月以降)の最初の4月・5月分は、6月15日支給分から反映されます。新年度4月15日に支給されるのは、前年度支給金額の2月・3月分です。(参考)障害基礎年金の2級(子に係る加算額がない場合)の年額は、<令和3年度(780,900円)・令和2年度(781,700円)・令和元年度(780,100円)・平成30年度(779,300円)>です。

 

Q44

障害年金を受給すると、会社に知られるのでしょうか?

A・障害年金は、所得税法上、非課税の扱いです。受給しても所得税は課税されませんので、受給情報が税務署(国税庁)に届くことはありません。年金事務所(日本年金機構)から会社への通知もありません。したがいまして、会社に知られることはありません。同様に、住民税も課税されません。<参考>会社員は、医療費控除、住宅取得等に係る控除等がない場合、所得税の「確定申告」は通常必要ありません。会社が従業員の毎月の給与や賞与から所得税額を控除・納税し、納付した源泉徴収額との差額を、12月の給与で調整(年末調整)しているからです。障害年金の受給は、先に述べたように、会社に知られることはありませんが、この年末調整で、所得税の「障害者控除」を受けるためには、会社に年末調整での「障害者控除」を申し出ることになります<障害者控除の額は、Q35をご参照ください>この場合、会社に「身体障害者」手帳等を保有していることを知らせて、所得控除をしてもらうこととなります会社に「身体障害者」手帳を保有していることを知らせたくないけれど、「障害者控除」は受けたいという方は、個人で「確定申告書」を作成し、税務署に提出することになります。この場合も、税務署から申告の情報が会社に届くことはありません。病気やケガ、薬代等の「医療費控除」を受ける方と同様に、「年末調整」の対象とならなかった「障害者控除」額を、確定申告書へ記載することにより、年末調整においての「税額」が減少し、所得税の還付が受けられます。(医療費控除は、年末調整ではすることができませんので、会社員でも確定申告が必要です。支払った医療費から10万円を差し引いて、残った金額が「医療費控除」の対象金額です。但し、所得が100万円未満の場合は、10万円を差し引くのではなく、合計所得の5%分を差し引きます。また、保険金などで補填された場合は、支払った医療費から補填分を差し引いた額が、医療費控除の対象となります。この場合、補填分の方が、対象の病気等の支払い額より多くても、他の医療費の支払金額から差し引く必要はありません)

 

Q45

障害厚生年金2級を受給中です。近日中に結婚しますが、配偶者の加給年金額は加算されるのでしょうか?

A・障害厚生年金1級・2級の受給権者が、受給権発生後に、生計を維持する配偶者を有するに至ったときは障害給付加算額・加給年金額加算開始事由該当届」を提出することにより、配偶者を有した月の翌月から加算されます。(平成23年3月までは、受給権が発生した時点において配偶者を有していないと支給されませんでした)ただし、いくつかの受給要件があります。➀配偶者の年収が850万円未満であること。②配偶者が65歳未満であること。※婚姻の届出をしていない事実婚にある内縁の配偶者を含みます。配偶者が次に該当したときは、加給年金額は打ち切りになります。➀死亡したとき②受給権者による生計維持の状態がやんだとき③離婚したとき④65歳に達したとき加給年金額は、こちらをクリック>届出様式は、こちらをクリック>

 

Q46

障害基礎年金2級の受給者です。子供が生まれたら年金額は加算されるのでしょうか?

A・障害基礎年金1級・2級の受給権者が、受給権発生後に、生計を維持するを有するに至ったときは、「障害給付加算額・加給年金額加算開始事由該当届」を提出することにより、子を有した月の翌月から加算されます。(平成23年3月までは、受給権が発生した時点において子を有していないと支給されませんでした)ただし、子の年収が850万円未満であること。※子は、養子や認知された子も含みます。子が次に該当したときは、加算額は打ち切りまたは、減額になります。➀死亡したとき②受給権者による生計維持の状態がやんだとき③子が婚姻したとき④養子縁組によって、受給権者の配偶者以外の養子となったとき⑤養子が離縁したとき⑥18歳到達年度の末日(3月31日のこと)が終了したとき(子が1級・2級の障害状態にあるときを除く)⑦18歳到達年度の末日以降、1級・2級の障害状態に該当しなくなったとき⑧20歳に達したとき加給年金額は、こちらをクリック>届出様式は、こちらをクリック>